公務員試験の筆記試験(大卒)では、国家総合職、国家一般職(大卒)、国家公務員専門職、地方上級(市役所)などでは、教養科目で自然科学と人文科学が出題されます。
自然科学と人文科学はあまり重要度の高くない科目ですが、全部を捨てるよりは少ない勉強時間で得点できる部分を作る捨て範囲を作る勉強方法がおすすめです。
自然科学と人文科学の試験内容から、おすすめの勉強方法について記載しております。
自然科学について

公務員試験の大卒程度の教養科目として出題される自然科学は、主に高校生のときに勉強した物理、化学、生物、数学、地学がまとめて自然科学という枠で出題されます。
参考書では自然科学というように出版されています。
物理、化学、生物などのそれぞれの教科の範囲は、高校生で勉強した範囲やセンター試験の範囲と同等レベルの範囲があり、大変範囲が広いです。
ただ難易度についてはセンター試験よりは易しいと思います。
そのため、自然科学は大学受験でセンター試験をしっかり勉強していた方が有利な科目となります。
公務員試験の大卒程度であっても、国家一般職や地方上級(市役所)や国家総合職などで、それぞれ出題数は異なります。
また、自然科学の中での物理、化学、生物、数学、地学の出題数は少し異なっております。
そのため、自然科学の重要度は試験によってわずかに重要度は異なってきます。
また、受験試験によって自然科学の中での物理、化学などの教科の重要度もわずかに異なります。
試験によって出題数などは異なりますが、どの試験においても出題数は教養科目の中で多くはありません。
そのため、大学受験でセンター試験の勉強をあまりしてなかった方や、受験していない方、理数系が苦手な方でも心配する必要はありません。
重要度がそこまで高くないため、計算問題や理解が難しい範囲については捨て範囲として諦めも大切です。
捨て科目にすると、勘のみとなってしまい平均して自然科学の得点率が低くなってしまいます。
出題数が1,2問ならばそれほど差し支えないと思います。
しかし、3問以上出題されるため、安定して合格ラインに到達するために、全く勉強しないとするよりも私は捨て範囲の方をおすすめします。
出題数が高そうな範囲だけ勉強するのがおすすめです。
試験内容や試験科目の理解は勉強効率化の上で重要です。
ですが、ネットなどを見ても理解が難しいです。
公務員試験の概要理解には「クレアール」の無料資料請求でもらえる「公務員試験入門ハンドブック」がおすすめです。
公務員試験の受験できる種類、各科目の出題数や勉強の仕方、合格者の体験談などについて非常にわかりやすくまとめてあります。
自然科学の出題数
国家一般職、国税専門官、労働基準監督官の試験における出題数は以下のようになっています。
国家一般職 | 国税専門官 | 労働基準監督官 | |||
数学 | 0問/40問 | 0問/40問 | 0問/40問 | ||
物理 | 1問/40問 | 1問/40問 | 1問/40問 | ||
化学 | 1問/40問 | 1問/40問 | 1問/40問 | ||
生物 | 1問/40問 | 1問/40問 | 1問/40問 | ||
地学 | 0または1問/40問 | 0または1問/40問 | 0または1問/40問 | ||
合計 | 3または4問/40問 | 3または4問/40問 | 3または4問/40問 |
地方上級(市役所)試験では出題数や出題教科に違いがあります。
私が受験した地方上級(A日程)の自治体では、自然科学5問の出題でした。
ただし、全体が教養科目の全体50問の中から40問を選択して解答という形式でした。
全体が多い分問題数も多くありましたが、自然科学が分からない人でも捨てられるようになっていました。
自然科学の難易度
私の思う自然科学の難易度は以下です。
★★★★☆
教養試験科目の中で正答率を上げるのが難しく、得点するのも難しい科目だと感じます。
難しい理由は範囲が広すぎるので覚えるのが困難である、点数に結びつけることが難しいです。
範囲が広い中で、各教科1問ずつ程度しか出題されないため、ピンポイントで正解するのはとても難しいです。
私が思う各教科の難易度については、物理>数学>化学>地学>生物です。
物理や数学は計算が含まれています。化学もほんの少し計算が含まれていますが、そこまで多くはありません。地学・生物・化学は暗記要素が強いです。
しかし、暗記量や暗記しやすさの順番として上記のようになるかなと思います。
これらは当然個人差があります。
私の場合は大学で化学専攻だったこともあり、化学は一番簡単に感じましたが、他の科目は勉強したことがなく、とても難しく感じました。
自然科学の重要度
私が思う自然科学の重要度は以下です。
★★☆☆☆
教養科目の中で、自然科学の重要度はそれほど高くないと思います。
理由としては、勉強時間を増やしても、範囲がとても広く、各科目の出題数は少なく、正答率を上げるのが難しいからです。
そのため、コストパフォーマンスが悪いです。
出題数が少ないので捨て範囲を作って最小限の勉強で得点できそうなところを拾うのが良いと思います。
全ての教科を捨て科目にするのはもったいなく、安定して合格ラインを狙うには捨て範囲を作るのが有効だと思います。
勉強しすぎも時間効率が悪いためです。
私の場合は化学・生物・物理・地学において頻出テーマのみを勉強しました。
地学は出題数が少し低いため、とても頻出のテーマのみを勉強しました。
しかし、短期での合格を狙う場合には捨て科目としても支障はないと思います。
自然科学を勉強するよりも、もっと出題数が多く、コスパの良い数的処理と判断推理、文章理解、時事を勉強するほうがとても重要だと思います。
特に数学は地方上級以外ではほとんど出題されないので、得意でない場合は捨て科目にするのが良いと思います。
人文科学について
人文科学の科目は日本史、世界史、地理、思想の分野があります。
自然科学と同様に、それぞれの分野は高校生のときに勉強した内容と近く、範囲も高校生のときに学んだ範囲とほとんど同じ程度になります。
そのため、かなり広い範囲であり、まともに勉強しようとするとそれだけでかなりの時間を費やさなければなりません。
人文科学や自然科学では、センター試験や大学受験のときに勉強したことのある人は有利だと思います。
人文科学や自然科学は範囲こそとても広いですが、それぞれの分野の出題数は多くありません。
効率良く短い時間で合格レベルに達するには、これらのうち捨て範囲や捨て科目を作って勉強するのが効率的だと思います。
人文科学や自然科学も他の科目と同様にこだわって勉強すると、他の重要科目への勉強時間が短くなってしまう可能性もあります。
選択肢を確実に絞って正答率を上げるためにも、中途半端に勉強するよりも決めた勉強箇所をしっかり勉強した方が良いと思います。
人文科学と自然科学の両方を捨てると、それぞれの分野の出題数は少ないといえど、積み重なって出題の6問くらい勉強しないことになりますので、それよりは捨て科目を作るのではなく、各分野の頻出部分のみを勉強するのが、短い時間で得点率を上げるのに効率的だと思います。
人文科学の出題数
各試験の教養科目における文章理解の出題数は以下のようになっています。
各試験における出題数は以下のようになっています。
国家一般職 3問程度/40問
国税専門官・労働基準監督官 3問程度/40問
地方上級(市役所)
市役所により出題数や出題教科に違いがあります。
私が受験した地方上級(A日程)の自治体では、人文科学5問の出題でした。
ただし、全体が教養科目の全体50問の中から40問を選択して解答という形式でした。
全体が多い分問題数も多くありましたが、人文科学が分からない人でも捨てられるようになっていました。
人文科学の難易度
私が思う人文科学の難易度は以下です。
★★★☆☆
人文科学は世界史、日本史、地理、思想であり、ほとんどが暗記科目になっています。
そのため、時間をかければ身に付いていく科目ではないかと思います。
ただし、範囲が広すぎるのが難しいです。
広範囲から出題されるのが1,2問程度のため、確実に正解できるようになるのは難しいと思います。
人文科学の重要度
私が考える人文科学の重要度は以下です。
★★☆☆☆
人文科学は広範囲にも関わらず、出題数が少ないためそれほど重要な科目ではないかなと思います。
そのため、捨て科目よりは捨て範囲を作るのがおすすめですが、捨て科目にしてしまっても合格レベルに到達できると思います。
私自身、公務員試験の勉強時間が残り少なかったため、人文科学の捨て範囲を作って頻出部分のみを勉強する時間がなかったため、人文科学は捨て科目としました。
それでも特に問題なく1次試験は突破できました。
人文科学に時間をかけるよりは、まずは他の重要な科目に時間を充てて勉強した方が効率的だと思います。
自然科学と人文科学のおすすめ参考書
自然科学と人文科学のおすすめの参考書について以下に記載しています。
自然科学のおすすめ参考書
自然科学はスー過去→ダイレクトナビ→過去問解きまくり(旧:クイックマスター)の順で勉強しました。
自然科学の勉強ではどの参考書で勉強するのが良いか、どの参考書だと効率が良いか悩みました。
その結果、色々な過去問参考書を購入して勉強してしまいました。
そのため、1冊の参考書を十分に何周も勉強することができず、記憶に定着していない部分が多くありました。

失敗じゃった…
自然科学は物理、生物、化学、地学と多くの分野があり、また各分野の範囲が広くボリュームがあります。
また、出題数も多くないため、コスパの良い科目ではありません。
私は元々理系であり、化学は得意でしたが、物理や生物はほとんど勉強したことがありませんでした。
物理や生物を捨てるか迷いました。
コスパの悪い科目ですが、2,3問程度完全に捨てるのは嫌だなと思いました。
そこで、出題数の多い範囲のみ勉強することで、少ない時間で得点率を上げることできないかと思いました。
過去問参考書選びでは回り道をし大変失敗しましたが、捨て範囲を選択することで、勉強時間をあまりかけることなく、得点率を上げれたのではないかと思っています。
[おすすめの過去問問題集]
◆過去問解きまくり(旧:クイックマスター):各分野の問題数が適量でとても良かったです。
⇒理系の方や自然科学で点数を取りたい方におすすめ!
◆ダイレクトナビ:記憶に定着しやすいように工夫されており良いと思いました。
⇒計算や理科が苦手、点が取れそうなところを取りたい方におすすめ!
私が最終的に自然科学の勉強において、過去問解きまくり(旧:クイックマスター)で勉強した理由は以下の理由です。
・捨て範囲を選択したとき、各テーマ範囲の問題数が少なすぎず適量勉強できること
・計算問題も網羅していること
・過去問であり実際の出題形式で学習できるため
自然科学の勉強にはダイレクトナビまたは過去問解きまくりでの勉強がしやすいため、どちらか一方自分に合う方で学習するのがおすすめです。
人文科学のおすすめ参考書
人文科学でのおすすめの過去問参考書は「ダイレクトナビ」または「クイックマスター」がおすすめです。
人文科学でダイレクトナビとクイックマスターがおすすめの理由については自然科学とほとんど同じです。
捨て範囲を作るおすすめ勉強方法

自然科学を勉強するときに、私が勉強していて良かった点やこうすれば良かったと感じるところから、おすすめの勉強の順番や参考書の使い方について紹介しております。
自然科学は上記記載の「ダイレクトナビ」または「過去問解きまくり」(旧クイックマスター)での勉強がおすすめです。
自然科学をまともに勉強すると、大変時間を要します。
また、出題数が多いというわけではないため、少ない勉強時間でいかに正解できる可能性を少しでも高められるかが大切なのではないかと思います。
上記でも記載しておりますが、私は短期間の受験勉強でない場合は捨て科目とするよりも捨て範囲を作って勉強するほうがおすすめです。
自然科学捨て範囲を作るおすすめの勉強方法
①参考書選定
②捨て科目または捨て範囲(勉強範囲)の選択
③決めた範囲を3周程度繰り返し理解
④理解した選択肢にチェックを入れながら解く
⑤チェックの入っていない選択肢を解く&理解および暗記したらチェック
⑥過去問500で演習or他の頻出範囲を③,④のように勉強
①参考書選び
自然科学では、上記記載のダイレクトナビまたは過去問解きまくり(旧:クイックマスター)をおすすめしています。
計算が苦手、完璧でなくても良い方はダイレクトナビがおすすめです。
しっかり勉強したい、理系出身の方はクイックマスターがおすすめです。
②捨て科目または捨て範囲の選択
上記記載のとおり、自然科学はとても範囲が広く、科目も多くボリュームがあります。
また、範囲が広いため、過去問題集の全ての範囲を勉強しても正解するのは難しい場合もあります。
捨て科目と捨て範囲は、これまで勉強してことがない分野や自信のない分野に適用するのがおすすめです。
捨て範囲の選定箇所は以下のように決めると良いです。
■自分の受験先の頻出度の少ない箇所 ⇒ 各参考書に年度別の出題頻度などが記載されている。(参考書によってはないかも?)
■理解が難しい箇所
■勉強範囲が広くなりすぎないように注意
この捨て範囲選びのときに、あれもこれもと、いっぱい勉強範囲を広げないように気を付けましょう。
捨て範囲を作りすぎた場合は、勉強する範囲を重点的に勉強した後、後から余った勉強時間で他の範囲を追加で勉強したら良いと思います。
しかし、勉強範囲を始めに作りすぎると、後から勉強範囲を広げすぎたと気づいて、範囲を削ったときに、あまり頻出でない範囲を中途半端に勉強してしまうことになります。

これ捨てよ、ここも…
③3周程度繰り返し勉強
問題では始めは各選択肢を問題→解説をそれぞれ読んで理解します。
どこがどう間違っているのかなど理解していくのが大切です。
自然科学の場合は基礎的な学習をしていないと理解が難しいものもあると思います。
そういうときは、一問に時間をかけすぎないようにするのが良いです。
自然科学は出題数が少ないため、短い時間でいかに効率よく正解の可能性を上げるかが大切だと思います。
分からなければ解き方や暗記する、もしくはあきらめるのも良いのではないかと思います。
応用レベルと難問レベルは基本+必修問題が十分解けるようになって時間があった場合にするのが良いのではないかと思います。
④理解した選択肢にチェックを入れながら解く
3周すれば暗記や理解できている部分があると思うので、選択肢を見てその選択肢が正解か、どこが誤っているかを解説できるくらい理解できているものはチェックを入れながら解きます。
選択肢ごとにチェックをいれるのがおすすめです。
⑤チェックの入っていない選択肢を解く、理解および暗記したらチェック
上記のチェックの入っていない、理解できていない、不安なところを繰り返し勉強していくことで、効率的に1周を早く勉強することができます。
⑥過去問500で演習or他の頻出範囲を③,④のように勉強
十分に自分の決めた勉強範囲を記憶できて、他の教養科目や専門科目に支障がでない場合、他の勉強していない範囲を勉強するのも良いと思います。
また、他の科目の勉強もある程度終えていたら過去問500で模試のように総合演習するのが良いと思います。
最短合格のススメ
公務員試験大卒の一次試験を効率よく最短合格の勉強方法はこちらにまとめております。
また、おすすめ過去問題集や参考書はこちらにまとめております。